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満月珈琲店の星詠み

 

満月珈琲店の星詠み

文春文庫

2020年7月10日

望月麻衣

桜田千尋

 

不思議な珈琲店の猫たちが詠んでくれる西洋占星術を通して登場人物が新しい人生の一歩を踏み出せたり、大切なことに気づいたりするお話。

 

 

 

キリスト誕生の頃から西暦2000年まで魚座の時代で今は水瓶座の時代に変わった。

魚座の時代は、2匹の魚に示されているように2面性との対立の時代。支配的な階級社会、学歴社会ともいわれているように、ヒエラルキーのトップにむかって皆が同じ方向へと必死に泳ぐ。(皆がいい学校を卒業し、一流の企業に勤めることを目指していた)

10年以上魚座の時代を引きずりながら、今は革命の水瓶座の時代。前時代から引きずる価値観を一新させる。そのために目を覆いたくなるような天災や人災が起きる。これは避けられない宇宙の仕組み。

もうもとの生活には戻れないから、価値観を一新するしかなくなり、個々の時代になる。個を確立するためにテクノロジーが発達する。一人一人の発言に重みが出てくる時代に変わる。インターネットの発達と一般人でもネットで有名になって発言力を持つことになる。…

 

出生図をみると、自分の属性を知ることができる。私が水なのか、土なのか。属性を知っていれば、土がミルクティーになりたいってがんばっていても、建物になるのでそもそも無理だということを悟ることができる。

また人の人生を植物にたとえると、根の環境を整えることで、ちゃんと花を咲かせることができる。もし今自分の花がちゃんと咲いていないと思う場合は根の状態を調べなくてはいけない。

今、私の花がちゃんと咲いていないって気づいてる。だから、自分の属性を知りたくなった。

 

 

西洋占星術の起源は、紀元前二千年のバビロニアだというけど、まだまだ科学も発達していない時代に人々の創造性で宇宙の仕組みを知ったなんて…

人間の創造力思考力はすごい。

昔の時代のことももっと知りたい。

 

小説絵が美しかったのと「満月珈琲店」というタイトルに惹かれて久しぶりに小説を読んだけど、この本はハマってどんどん物語のなかに引き込まれていった。

占いって、自分を知ることなんだ。

西洋占星について調べたくなっただけでなく素敵なスイーツに満たされ、ベートーヴェンの美しい音楽に浸り、また物語のあたたかさに胸があつくなり、

いい小説だった。